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バーガー紀行⑨ 生まれ故郷を訪ねて

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ルーツを辿る旅。

今回は、高知県いの町へ。

私が生まれた町。

育ちは別の場所だけれど、生まれた場所だからこそ、毎年帰ってきたくなる。

祖母の90歳の誕生日。

そして、毎年欠かさず続けている墓参り。

先祖へ感謝を伝える時間だ。

ありがとう。

たったそれだけの言葉なのに、生きている人へ伝えるより、案外簡単だったりする。

墓前に立つと、自分がどこから来たのかを思い出す。

だから私は、ルーツを大切にしたい。

先に立ち寄ったのは、いの町のとある滝。

高知を代表する「仁淀ブルー」。

けれど、その美しさは水の色だけではない。

滝が岩肌を伝い、一筋の白い糸のように流れ落ちる。

長い年月をかけて削られた大岩。

岩肌を覆う深い緑のシダや苔。

水面には木々の緑と空の光が映り込み、場所によって青にも、翡翠色にも表情を変えていく。

足元をのぞけば、小さな魚たちが澄みきった流れの中を泳いでいる。

上流から流れてきた水は、岩をすり抜け、滝となり、淵を満たし、また静かに下流へと流れていく。

その一滴は止まることなく、次の景色へ向かう。

ただ眺めているだけなのに、心が少しずつ軽くなっていく。

ここは、私にとってのパワーチャージスポット。

自然には、人をリセットする力がある。

これも、高知という土地の魅力なのだと思う。

そのあと向かったのは、中津渓谷から天空の林道。

相棒は、小さなモンキー。

山の空気を感じながら走る時間は、何にも代えがたい。

……ところが、途中でまさかのオーバーヒート。

しばらく立ち往生。

古いバイクとの旅は、思い通りにはいかない。

でも、それも旅の一部。

予定外の出来事さえ、帰る頃には思い出へ変わっている。

また、来ればいい。

旅の締めくくりは、もちろんバーガー。

今回訪れたのは dr.smash。

場所は中心地から少し離れた住宅街。

駐車場もなく、決して分かりやすい場所ではない。

でも、だからこそ行きたくなる店がある。

古着屋から派生したという異色のバーガーショップ。

ショットバーのような空間に、アメリカンカルチャーが自然と溶け込んでいる。

提供されるのはスマッシュスタイル。

押し焼きされたパティは、香ばしい焼き目と肉の旨みが際立ち、一口目から力強い。

店づくりも、バーガーも、「好き」がそのまま形になったような一軒だった。

祖母に会い、

先祖に手を合わせ、

仁淀ブルーに癒され、

モンキーで山を走り、

その土地で生まれたバーガーを味わう。

バーガーを食べることは、その土地を食べること。

だから私は、旅へ出るたびにバーガーを探す。

私にとって故郷へ帰ることは、景色を巡る旅ではない。

自分のルーツを思い出し、先祖へ感謝を伝え、人や文化に触れ、また前へ進むための時間なのです。

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