ルーツを辿る旅。
今回は、高知県いの町へ。
私が生まれた町。
育ちは別の場所だけれど、生まれた場所だからこそ、毎年帰ってきたくなる。
祖母の90歳の誕生日。
そして、毎年欠かさず続けている墓参り。
先祖へ感謝を伝える時間だ。
ありがとう。
たったそれだけの言葉なのに、生きている人へ伝えるより、案外簡単だったりする。
墓前に立つと、自分がどこから来たのかを思い出す。
だから私は、ルーツを大切にしたい。
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先に立ち寄ったのは、いの町のとある滝。
高知を代表する「仁淀ブルー」。
けれど、その美しさは水の色だけではない。
滝が岩肌を伝い、一筋の白い糸のように流れ落ちる。
長い年月をかけて削られた大岩。
岩肌を覆う深い緑のシダや苔。
水面には木々の緑と空の光が映り込み、場所によって青にも、翡翠色にも表情を変えていく。
足元をのぞけば、小さな魚たちが澄みきった流れの中を泳いでいる。
上流から流れてきた水は、岩をすり抜け、滝となり、淵を満たし、また静かに下流へと流れていく。
その一滴は止まることなく、次の景色へ向かう。
ただ眺めているだけなのに、心が少しずつ軽くなっていく。
ここは、私にとってのパワーチャージスポット。
自然には、人をリセットする力がある。
これも、高知という土地の魅力なのだと思う。
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そのあと向かったのは、中津渓谷から天空の林道。
相棒は、小さなモンキー。
山の空気を感じながら走る時間は、何にも代えがたい。
……ところが、途中でまさかのオーバーヒート。
しばらく立ち往生。
古いバイクとの旅は、思い通りにはいかない。
でも、それも旅の一部。
予定外の出来事さえ、帰る頃には思い出へ変わっている。
旅の締めくくりは、もちろんバーガー。
今回訪れたのは dr.smash。
場所は中心地から少し離れた住宅街。
駐車場もなく、決して分かりやすい場所ではない。
でも、だからこそ行きたくなる店がある。
古着屋から派生したという異色のバーガーショップ。
ショットバーのような空間に、アメリカンカルチャーが自然と溶け込んでいる。
提供されるのはスマッシュスタイル。
押し焼きされたパティは、香ばしい焼き目と肉の旨みが際立ち、一口目から力強い。
店づくりも、バーガーも、「好き」がそのまま形になったような一軒だった。
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祖母に会い、
先祖に手を合わせ、
仁淀ブルーに癒され、
モンキーで山を走り、
その土地で生まれたバーガーを味わう。
バーガーを食べることは、その土地を食べること。
だから私は、旅へ出るたびにバーガーを探す。
私にとって故郷へ帰ることは、景色を巡る旅ではない。
自分のルーツを思い出し、先祖へ感謝を伝え、人や文化に触れ、また前へ進むための時間なのです。




