カブと私。第三話
ー 小豆島が教えてくれたこと。ー
今回、カブと向かったのは小豆島。
フェリーに揺られ、
島へ降り立った瞬間から、
時間の流れが少しだけゆっくりになった気がした。
旅には、目的地がある。
でも、本当に心に残るのは、
その途中で出会った景色だったりする。

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希望の鐘の前で立ち止まる。
鐘は鳴らさなかった。
静かな海を眺めていると、
鳴らす必要なんてないと思えたから。
希望は、音ではなく、
静けさの中で見つけるものなのかもしれない。

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寒霞渓へ向かう山道。
ゆっくりと標高を上げるたび、
瀬戸内海に浮かぶ島々が少しずつ姿を現す。
もし速いバイクだったら、
この景色は「通り過ぎる景色」だっただろう。
カブだから、
立ち止まる。
カブだから、
振り返る。
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寒霞渓で食べたオリーブ豚バーガー。
バーガー屋として、
もちろん味も見る。
でも、それ以上に見ていたのは、
「この土地をどう一つのバーガーで表現しているのか。」
その土地でしか生まれないものには、
理由がある。
だから旅は、
料理を食べるだけでは終わらない。
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旅をすると、
新しい景色に出会う。
でも、本当に変わるのは景色ではない。
景色を見つめる、
自分自身なのだと思う。
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カブは、速く走るためのバイクじゃない。
人生を、少しだけゆっくり味わうための相棒だ。
小豆島は、
そんなことを静かに教えてくれた。
また一つ、
カブと一緒に帰りたくなる場所が増えた。


